ニュースレター「いのちの海と空と大地」27号発行/汚染水の海洋放出は安全なのか/「核のゴミ」最終処分地選定作業の状況/G7サミットを前に宗教者が広島で祈りとシンポジウム「原子力エネルギー含め『核』に反対する理由」

ニュースレター「いのちの海と空と大地」27号を発行しました。
どうぞご覧ください。このニュースレターは聖公会の各教会にも配布されています。

27号のコンテンツ

汚染水の海洋放出は安全なのか

海洋に放出された汚染物質は例え濃度が低くても海中の有機物と結びつき、魚類や海藻などと共に海洋生物の食物連鎖の中で濃縮し、最終的には人間が食べることによって内部被曝をもたらす。小出裕章さんは「放射性物質はどんなに少なくても人体に影響がないとは言えない」と説明している。漁業を生業とする人たちがいて、その収穫物を食べる私たちがいる。風評被害は勿論、実害があってはならない。特定の政治家による閣議決定という形でなく、漁業者、消費者、学者・研究者、自治体代表者など幅広いメンバーによる公開の場での議論を重ねてほしいと切望する。

本文より一部抜粋

「核のゴミ」最終処分地選定作業の状況

現在、北海道後志管内の寿都町と神恵内村にて、第1段階である文献調査がNUMOによって進められており最終段階にある。(中略)

こうした状況の中で国は今後、国の責任のもと、10カ所程度の「文献調査」候補地を選定したいと表明している。

2023年5月12日 長崎県対馬市の建設業協会対馬支部と対馬建設業協同組合の総会(非公開)が開かれ、両団体は「核のゴミ」処分場選定に関する「文献調査」に応募すべく市議会に請願を出すことを満場一致で決定した。これに基づき6月5日市議会に請願書を提出した。同時に、応募に反対する5団体は2万筆を超える署名を参考資料として添付し応募反対の請願書を提出した。(中略)一方、日本学術会議は負担の公平性の観点から、各電力会社が自社管内に「核のゴミ」の暫定保管施設を最低1カ所設けることが望ましいとしている。

本文より一部抜粋

G7サミットを前に宗教者が広島で祈りとシンポジウム

5月19日〜21日 広島で開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、「宗教者による祈りとシンポジウム」が10日、カトリック幟町教会の世界平和記念聖堂にて開催された。(中略)シンポジウムでは日本聖公会中部教区の西原廉太主教(立教大学総長)も発題された。

「原子力エネルギー含め『核』に反対する理由』」

世界350以上の教会(教団)が加盟し、5億8千万人余りのキリスト教徒を代表する組織である「世界教会協議会」(WCC)で、昨年まで16年にわたり中央委員を務めてきた西原氏は、核兵器だけでなく原子力エネルギーも含めた「核から解放された世界」を訴えてきたWCCの活動を紹介。WCCがこれまで出してきた声明などから、あらゆる核に反対する理由や、その神学的根拠を話した。(中略)

人類に求められているのは「いのちを守る」ことであるとし、「恐怖しながら核兵器で身を守って生きることも、原子力エネルギーに頼って無駄遣いの中に生活することも、いのちを守ることではありません」としている。

本文より一部抜粋