大斎節第2主日(2022.03.13)

2022年3月13日(日) 大斎節第2主日

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<特祷>

四十日四十夜、わたしたちのためにみ子を断食させられた主よ、どうか己に勝つ力を与え、肉の思いを主のみ霊に従わせ、常にわたしたちがその導きにこたえ、ますます清くなり、主の栄光を現すことができますように、父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられるみ子イエス・キリストによってお願い致します。アーメン

<聖書>

創世記 15:1〜12、15〜17

<メッセージ> 暗闇の向こうに

父と子と聖霊の御名によって アーメン

「わたしたちが くらやみに とどまることのないように キリストはひかりとして 世に来られた。」(ヨハネ福音書12:46)

私が大好きなテゼの賛美の歌です。機会があれば、是非皆様とご一緒に歌いたいと願っておりました。今日は歌ってみましょう。

私たちの光への憧れは、ステンドグラス、窓ガラス、シャンデリア、ワイングラス、飾りガラス、最近はガラスの茶室もあるそうですが、などなどによく表現されています。

一方、闇ですが、これもキャンプでの夜間ハイクは、貴重な体験となります。

 しかし、困った暗闇もあります。私たちに怖れの心を抱かせ、希望を奪う闇です。

 今世界中に暗闇の中にいると感じている方や、暗闇の存在を感じている方が多くおられます。新型コロナウイルスの存在がありますが、ウクライナへのロシア軍侵攻は、さらに闇を深くしています。先週もご紹介したのですが、先日3月4日朝日新聞朝刊「天声人語」に、次のような一節がありました。「一人の兵士の視点から戦争への疑問を突き付けるのが、シャンソンの名曲『脱走兵』だ。フランスの作家ポリス・ヴィアンの手によるもので、招集令状を受け取った男がこんな手紙を書く。<大統領閣下 私は戦争はしたくありません 可哀そうな人たちを殺すために 生まれてきたからではないからです>」そうなのです。誰も戦争で人を殺すために生まれてきたのではありません。誰も戦争で殺されるために生まれてきたのではありません。人は生きるため、お互いに愛し合い、助け合い、仕合せになるために生まれてきたのです。しかし、殺す人、殺される人があり、暗闇が覆っています。ウクライナだけではありません。ミャンマーやスーダン、コンゴ、シリア、パレスチナ、挙げればきりありません。

 聖書にも暗闇が出てまいります。先ほど拝読した創世記15章をご覧ください。信仰の父アブラハムがまだアブラムだった頃、神さまとの約束が結ばれる場面であります。神さまのことばが幻の中で、アブラムに臨みました。「恐れるな、アブラムよ。わたしはあなたの盾である。」この表現は何回か聖書に出て参りますが、神さまは私たちの盾となって。私たちを守ってくださるというのです。さらに神さまは続けます。「あなたの受ける報いは非常に大きい。」しかし、アブラムは、神さまのことばを素直には受け取れません。アブラムは反問します。神さまは、私を祝福して下さるとおっしゃるが、私たちには、神さまの祝福を受け継ぐこどもがおりません。

当時、こどものいない夫婦は、しもべ(ドレイ?)を養子にしたようです。神さまは、アブラムのことばを遮るように、アブラムを外に連れ出し、星を見上げさせ、あなた自身から生まれた子が跡を継ぎ、星の数のように増え拡がるであろう、と言われます。アブラムは神さまの言葉を信じます。そして、いけにえの動物たちが並べられます。

その後、アブラムは深い暗黒に覆われます。「日が沈みかけたころ、アブラムは深い眠りに襲われた。すると、恐ろしい大いなる暗黒が彼に臨んだ。」(12節)完全に意識を失うような状態です。アブラムが恐ろしい暗闇に覆われた経験の後、「突然、煙を吐く炉と燃える松明が二つに裂かれた動物の間を通り過ぎた。」(17節)この時、高齢のアブラム夫妻の子孫が星の数ほど増え広がることと、約束の地が子孫に与えられるという契約を、神さまとアブラムが結ぶことになります。

聖書には、深い暗闇が登場します。アブラムを襲った暗闇がどのようなものか聖書は説明しません。私たちが人生で体験する暗闇でしょうか。しかし、聖書はそれで終わりません。暗黒の向こうに光が現れます。約束の地が与えられること、子孫が与えられることです。あきらめに囚われていたアブラムは、神さまのことばを信じて、希望をもって生きていく人になります。

聖書において、一番深い暗闇は主イエスの十字架の出来事です。その向こうには復活の光が灯ります。死は終わりではなくて、神さまと共なるいのちの始まりです。

今、世界は、人々に命の危機をもたらす暗闇に覆われています。一方で世界中の人々が、あきらめずに平和を祈っています。私たちも世界中の人々と共に祈りましょう。いのちの復活の光が灯されることを信じて、祈りましょう。詩編119:105 「あなたの言葉は私の足の灯。私の道の光」とあります。世界中の平和を求める人々と「命の灯」を、主イエスの光を共に抱き、平和を祈りつつ歩みましょう。

父と子と聖霊の御名によって アーメン

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人を

ゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン

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