聖霊降臨後第18主日

<特   祷>

憐れみ深い主よ、どうかみ民を赦し、平安を与え、その罪をことごとく清め、穏やかな心をもって主に仕えさせてください。主イエス・キリストによってお願い致します。アーメン

<聖   書> マタイ21:28~32

        フィリピ2:1~13

<メッセージ> 兄は考え直して―まだ遅くはない

父と子と聖霊の御名によって アーメン

主イエスは、この時、祭司長や民の長老に向かって、今日のたとえを語り掛けられました。彼らは、エルサレム神殿の祭り事をつかさどり、律法を守り、権威をもって掟を教える人々でした。当時の人々の間で、尊敬され、神さまに近く、神さまの祝福を真っ先に受ける人たちと思われていました。また自分自身もそう自負していました。しかし、主イエスは彼らが、本当に神さまの心を生きているかどうか疑問をもって見ておられました。それは、社会の片隅で生きることを余儀なくされている徴税人や娼婦といった人々を、見下し、人として断罪し、決して慈しみややさしい思いを示そうとはしなかったからです。

フィリピ2:3・4・5「何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分より優れた者と考え、めいめい自分のことだけではなく、他人のことにも注意をはらいなさい。互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにも見られるものです。」とパウロも語っています。

彼らは神さまを見ているのではなく、人々の評価や自己満足に生きていたのです。主イエスは私たちに語り掛けられます。皆、神さまに愛されている、いとおしい存在とされている兄弟姉妹、家族なのだ。人をさげすんだり、見下げたり、してはいけない。隣人愛に生きる人、仕えることの大切さを知る人になろうと、主イエスは呼びかけられます。

神殿の指導者は、いつのまにか、今日のたとえの弟のようにってしまっていると主イエスは示します。「お父さん、承知しました」と口では言ったのですが、ぶどう園には行きませんでした。神さまの望みや願いは行っていないのです。預言者やバブテスマのヨハネが示した神さまの道を耳にしても、考え直すことをしませんでした。

今日のたとえで言われているもう一つの点(重要な点)は、徴税人や娼婦、どんな人々も、「回心」の機会は常に開かれているということです。兄の姿を見てみましょう。「ぶどう園に行って働きなさい。」とお父さんから言われます。兄は「いやです」と答えます。私の姿と重なります。しかし、兄は後で考え直します。主イエスはそのことを祝福されます。この「考え直す」ということについて、私は、今私たちが地球規模で、考え直す時にきているのではないかと感じました。

今の日本や世界の状況はどうでしょうか。順風満帆とは言えず、逆風が吹いています。本当に豊かな生き方ができているのか、幸せを感じながら生きているでしょうか。

 私は、ここ数十年、私たち人間が大事にしてこなかった「3つのS」があるのではないかと考えています。

 3つのS ソイル(土) ソウル(魂、心) ソサエティ(社会)

  ソイル 自然を人間のための資源と見なし、それを競い合って奪い合ってきた、今も奪い合っている。人間の欲望が世界を危機的な状況にしています。

 人間の欲がささやかな小さないのちをないがしろにしたり、傷つけています。

 そうした資源の奪い合いの中で、「ソウル」、人間は、自分の心や体も金儲けの手段のようにしていじめてきたのではないでしょうか。

さらに、その奪い合いの中で、「ソサエティ」、つまり回りの人との助け合い、分かち合いを忘れてきてしまったのではないか。

 私はこの「3のS」の中に本当の豊かさがあり、人間のしあわせがあると考えております。言い換えますと、「ソイル」は地球とつながること、「ソウル」は自分とつながること、自分を大切にすること、「ソサエティ」は人々とつながること。隣人を大切にすること。もっといいますと、「ソイル」は私たちの地球を大切にすること。「ソウル」は自分を大切にすること。「ソサエティ」は隣人を大切にすること。たくさん所有することでなく、つながりを大切にする、そこに真の豊かさや、しあわせがあるのではないでしょうか。

 今、私たちは、考え直す時に来ていて、まだ間に合うのです。遅くないのです。

 「3つのS」を大切にするライフスタイルを、身につけようではありませんか。私たちは、兄のように、考え直す力を大切にしましょう。

 もう一度パウロのことばを聞きましょう。

 フィリピ2:3・4・5「何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分より優れた者と考え、めいめい自分のことだけではなく、他人のことにも注意をはらいなさい。互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにも見られるものです。」

父と子と聖霊の御名によって アーメン

<ウクライナとロシアの人々、世界の平和のための祈り>

正義と平和の神よ、

わたしたちは今日、ウクライナとロシアの人々のために祈ります。

またわたしたちは世界の平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、み旨に適う決断へと導かれますように。

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン。

<黙想しましょう。>

大阪教区成立100周年の年、わたしたちが聖霊の働きに心を開き、神の御力が大阪教区に豊かに注がれますように。教区婦人会100周年を憶えて

この社会にあって、居場所がなく、生きづらさを感じている人々のため

新型コロナウイルス感染症の収束のため

戦争に苦しむ人々のため 特にスーダン、ミャンマーの人々 ほか

世界各地の災害(地震、洪水、山火事、台風)犠牲者・被災者を憶えて

<主の祈り>

主イエスが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ、

み名が聖とされますように。

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです アーメン

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