ぼやき「“原発アレルギー”と呼ばれてます。結構でしょう。皆さんもそうでしょう?これだけ考えさせられたら当たり前でしょ!命がかかってるのに何言ってんの!」

浅原和裕さんは原発問題プロジェクトのメンバーで、福島聖ステパノ教会の信徒です。福島市内に住んでいて、仙台市への通勤路にある放射線線量計(モニタリングポスト)を目にしながら日常を送っています。

今回は、再生可能エネルギー施設の設置と環境破壊、原発は他の電力に比べ廉価なのか、原発は政治なのかなど、疑問を呈しながらぼやいています。また、核のゴミの最終処分場や中間貯蔵施設建設の問題にも率直に触れています。

「もしも珠洲に原発があったら日本は壊滅していたでしょう」とも述べています。これは、1月に能登半島地震が起こった時に多くの人が共通して持った危機感です。珠洲原発の建設は、北陸電力、中部電力、関西電力の出資で計画されたものですが、28年間にも及ぶ住民の粘り強い反対運動によって2003年に凍結されました。

8月8日に起きた宮崎県の地震を受けて、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。南海トラフ巨大地震の想定震源域には、日本原子力発電東海第2原発、中部電力浜岡原発、四国電力伊方原発、九州電力川内原発の4つの原発があります。原発の危険性は立地地域だけでなく日本全国に及びます。

浅原さんの多岐にわたる待ったなしの問題提起に、私たちはどう応え、どう取り組むのか、問われています。

原発問題プロジェクト浅原委員のぼやき 2024年7月17日記

再生可能エネルギー設備の設置と環境破壊?

山の木を切り倒してソーラーパネルを設置すればすぐ環境破壊だ!という意見にすぐ配慮したがる行政機関。ソーラーパネルが爆発しますか?風車が爆発しますか?原発は爆発します。そうしたら放射能が散らばっていつまでも残って最悪の環境破壊が行われるのにそれを繰り返すのでしょうか?事故が起こったら原発村の利益などは文字通り吹き飛んで凄惨な状況になります。地元住民の犠牲、一斉避難、産業の壊滅、周辺地域に波及する甚大な被害。何も残らないどころか、残ったのは汚染された原発の廃墟。後々まで負の遺産が残っていくのです。

原子力発電は他の発電よりもほんとうに廉価?

原子力発電は他の発電よりも廉価なのでしょうか?80%分の放射能は海洋に流れ出たといわれている東京電力福島第一原発事故では、20%分の放射能被害でも事故が起こってからの住民に対する様々な補償、除染、廃炉にするのに40年以上かかり費用が8兆円で更に上昇しつつ今後いくらかかるのかやってみなければわからない、現に復興には相当な年月が必要となる。これが廉価と言えますか?

原発は政治なんですか?

わけのわからん奴が勝手に反対し騒いでいるので放っておけ!そのうち消え去るから・・・政治はそんな簡単なものじゃないよなんて言っている。

原発は政治なんですか?逆に聞きたいです。本来は私たちの生活を便利に楽にしてくれるはずのものだったんですよね?政治の道具にして経済を回していこうとするから原発はやめられないのですよね。利権が集中するからやる方は利益が沸いて良いとこ取り、しかし地元の犠牲の上に立った搾取構造を呈しているのです。なんとかして経済から切り離せばこのような構造がなくなるのではないでしょうか。

最終処分施設問題と、税金と、“原発村化”

最終処分施設問題で、一石を投じるなんて言っているある自治体が、文献調査をして20億円もらう。もらったものについて後で断わることができるのですかね!20億円だよ。この辺が不思議だなー。知事が反対してるから認可はされないらしいが、20億円は税金だよね!

まさか過疎対策の税収増加のためのぐるみのやらせじゃないよね。でもこの程度の金額で遠い将来のリスク(放射能漏れ)を買う大胆な発想なんです。その後「概要調査」で最大70億円、「精密調査」は14年かけて行われ、金額未定でも税収はうなぎのぼりとなり、原発村化するのです。各調査全体で20年くらいかけて、いよいよ実施され地中に埋設され、このリスクが10万年以上続き、地震大国日本でこの間の地殻変動等により容器が破損し長い間で汚染が進み、未来の住人が汚染被害を受け、でも今の当事者は誰も生きていないし、人口も少ないし、忘れ去られているから当時の決定については未来の誰も責任は取れません!とこうなるんじゃないかなあ?「事故は絶対ない」は作り話でした。想像力の大いなる欠如だったのか。もしくは余計なこと言うんじゃないと押さえられていたのか。今の私たちにはわかっています。無責任極まりないよね。十分予測できることを、人々を忘却の彼方に追い込んで将来にわたって隠ぺいしようとする大胆不敵な発想は許されるものではありません。

昔から行政が監督し犯してきた数々の誤りが裁判沙汰になって争われているが、これもその一つになってしまうんですかね。もう「想定外」という言葉に騙されてはいけません。十分に予想できることを私たちは学んでいます。真剣さが足りないと思う。

知事が反対しているからこそ実施はできないと信じているが、20億円、更には最大70億円もらってハイ終わりでは一自治体の税金詐欺みたいなものと思われても仕方がないのではないでしょうか。万が一知事が変われば大逆転的な要素が無いわけではありません。これが政治的要素なんですね。

「原発は安定的な地盤の上に立地しており、新たな用地選定が不要である」?

中間貯蔵施設問題では、最近、超党派の元国会議員や官僚OBの方々で構成されたシンクタンク「未来構想会議」が原発の高レヴェル放射性廃棄物は最終処分場実現が見通せるようになるまで、原発の敷地の地下に管理施設を造り、中間的に保管するべきという提言をまとめたことが分かったという。結局こういう考えは出てきますよね。どうするか決められない中で現在あるところでなんとかせよという考えです。何もないところに持って行って新たなリスクを生む必要はない!ということですよ。その理由の中で非常に気になったもののひとつに「原発は安定的な地盤の上に立地しており、新たな用地選定が不要である。」と云っていることです。

『どこが安定的な地盤』なのか。福島の例や志賀原発の災害の例も含めて詳細に素人にもわかるように、どのように安定的なのかじっくりとご説明いただきたいですよ。福島県民の気持ちを逆なでするような結論を出すこの政治的なシンクタンクは残念ながら信用できかねます。

人の命を天秤にかける原発の新設・稼働の駆け引き

国土が狭く資源に乏しいし、化石燃料は海外からCO2の制約があるし、戦争はあるし、中東からは輸入が危うくなりつつある中で、原発で何とか総電力量の20%強は死守したいのが今の政府の考えです。いつ大地震や津波により破壊されるか、老朽化した原発の再稼働をも無責任にも進めていくでしょう。

推進したい方々は「そんなこといってたらいつまでも原発は稼働できない、現状を見てみろ!電力不足で困るのは日本国民だ。そんなこともわからないのか」と聞こえてきますが、もしも珠洲に原発があったら日本は壊滅していたでしょう。それを政府が認めようなら大変なことになることはわかっています。紙一重で日本は助かったのですから。用地反対運動に尽力、貢献された方々に心から敬意を表します。

人の命を天秤にかけることになる原発の新設・稼働の駆け引きは断固許してはいけません。原発マネーの台頭を誘導し利権が蔓延することに繋がるのです。

今電力は原発が再稼働しなくても十分足りています。利権から切り離された原子力発電以外の正しい電力の開発を心から望みます。

(文責:原発問題プロジェクト委員・浅原和裕)