最大の敵は無関心 ~2025参議院選挙と原発政策~

2025参議院選挙と原発政策

参議院選挙戦真っただ中です。経済・財政、社会保障、農政、家族・子育て、外交など、さまざまな問題が争点になっています。どれも大切です。しかし、それだけで良いのでしょうか?

各党の政策や公約を見ても、原発に関する政策は大きな争点になっておらず、置き去りにされているように思います。

なし崩し的に推し進められる原子力政策

今年2月、第7次エネルギー基本計画が閣議決定され「原発依存を可能な限り低減する」としていた原発政策が、「原子力を最大限活用する」に改められ、原発の新増設まで明記されています。我が国のエネルギー政策の大転換です。

確かに、2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響は時の経過と共に減少しています。しかし、帰還困難地域などではいまだに高い空間線量率が観測されています。また、大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設では除染で出た汚染土が山積みにされたままです。2045年3月までに福島県外で最終処分することが定められていますが、受け入れ先は決まっていません。政府は最終処分の量を減らすために、一部の汚染土を全国の公共工事などで再生利用する方針さえ打ち出しています。更に、「高レベル放射性廃棄物=核のゴミ」は最終処分場選定の見通しが立たないまま、原発の稼働に伴い増加し続けています。

山積する問題の解決策が見出だせないまま十分な議論もせず、なし崩し的に原子力政策が推し進められています。大きな危機感を覚えます。

「良識の府」参議院で中立的・長期的視点の審議を

我が国は、衆議院と参議院の二院制を採用しています。参議院の任期は6年、3年ごとに半数ずつ改選されますが、衆議院と違い解散はありません。候補の年齢制限も、衆議院の満25才以上に対して満30歳以上と違います。

参議院は、慎重な審理と中立的かつ長期的な視点に立った審議が要求されています。また、衆議院や内閣に対するチェック機関としての役割や政治のブレーキ的役割も期待されています。参議院が「良識の府」「再考の府」と言われる所以です。

エネルギーの問題は、私たちの暮らしの問題、いのちの問題です。
私たちはどのようなエネルギー政策を選択するのか、参議院選挙を機に私たち一人ひとりの重要な問題として捉え直してみませんか? 

参考情報の紹介

以下は、認定特定非営利活動法人FoE JapanのWEBサイトです。各政党のエネルギー政策の比較をしています。参院選に臨むにあたり、参考にしてはいかがでしょう?

<参院選2025>各党マニフェストを比較!【原発・エネルギー編】~各党の特色は? 昨年との違いは?