ALPS排気フィルター破損、200設備で追加点検へ – 福島民報から(10/4付)

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ALPSは、高濃度汚染水からトリチウム以外のさまざまな放射性物質を取り除くことができる多核種除去設備のことで、2014年から本格的な運転が始まっています。

東京電力は、ALPSの汚染泥を保管する容器の排気フィルター全25基のうち24基に破損が見つかったと発表しました。また、2年前にも25基で同じような破損があったにもかかわらず交換しただけで、原因を調べることをせず運転を続けたこと、そして公表をしなかったことも明らかになりました。

原子力発電所内では、計器の故障や軽微なトラブルでも「不適合」と呼び集計をとる仕組みがありますが、ここにも報告はなく、責任者は今年になるまで知らなかったといいます。2年前にきちんとした対応をしていれば、今回の破損は防げたはずです。 原子力規制委員会の9月の会合では、東京電力の度重なるずさんな管理体制と対応姿勢に批判が集中しました。

福島原発では原発事故後、廃炉作業が続けられています。「燃料デブリ」の取り出しは困難を極め、その後の建物の解体や放射性廃棄物の処理や処分については、どのようにするのかさえ示されていません。更に、最終的に廃炉をどのような状態にするのかも決まっていません。今回のALPS排気フィルター破損に関する問題は、廃炉作業全体に及ぶ管理体制の問題です。

排気フィルターの破損時の対応を見ると、廃炉作業は本当に安全なのかと、大きな疑念を抱きます。1日4000人前後と言われる廃炉作業に従事する人たちの被ばくも深刻な問題です。

東電や政府は廃炉まで40年かかるとしていて、残りは30年です。30年で終えられるのかとの疑問の声も挙がっています。あと30年、あるいはそれ以上続く廃炉作業。どのように安全を確保していくのか、作業の透明性をどう確保していくのか、大きく問われています。

原発問題プロジェクト 浅原委員のぼやき

どうしてこうなるのか?
発見した担当者は最初どう思っただろう。

なぜ破損してるのか? わからん。
忙しい。けど究明しなきゃ…。「不適合」と報告しなきゃならないぞ。
いや待てよ。交換しておけばいいのか…?

まあとりあえず交換しておけばいいか。
部品はあったっけ。取り寄せかな?あったあった。交換しよう…。

ところで、今回は報告案件なのかな…?これって「不適合」なのかな…?
上に報告したら、
つまらんことはいいからすぐ交換だけはしとけよ、
今は非常事態なんだから、兎に角ケアしとけよ、
と言われるにきまってる。

後で調べておこうっと…。まさかALPSを止めるわけにはいかないしな。

しばらくして、担当者はまた見つけた。

また破損してる交換しなきゃ。参ったなあ…。
あそこも破損してる。あれ。ここもだ。

でも、どうしてだろう…?調べなきゃ。
報告様式はどんなだったっけ…?後で見ておかなくちゃ…。
口頭だけでも報告が必要かな。報告しておこう…。

報告を受けた上司は、どう思っただろう。

これって「不適合」なのかな…?

上に報告したら、
つまらんことはいいからすぐ交換だけはしとけよ、
今は非常事態なんだから兎に角ケアしとけよ、
と言われるにきまってるよな。

後で調べておこうっと…。まさかALPSを止めるわけにはいかないしな。

で2年間を過ごしてしまったのか?

私たち、福島県民はここで生きているのだ。
いい加減にしてほしい!!

(文責:原発問題プロジェクト委員・浅原和裕 10月12日記)