「2021.11.13 汚染水を海に流すな! 海といのちを守る集い」動画紹介

言葉が正しく使われないと本質を見失い、本題から離れ、まったく別物にしていきます。ある意図を持って言い換えられた言葉は、目論まれた方へ操作誘導していきますから、聞かされる者はよくよく注意深くしていなければなりません。

私たちは、「いっしょに考えよう!福島原発のトリチウム汚染水」をタイトルにして記事を載せてきました。溶融デブリに浸されALPSで処理した汚染水を、「ALPS処理水」「トリチウム汚染水」等といくつかの言葉を用いていますが、処理水をどう呼ぼうが、それはどこまでも「放射能汚染水」です。

汚染水に含まれている核種は1020核種です。2014年、そのうち多核種除去装置・ALPSで除去対象としたのは62核種でした。2020年3月16日の原子力規制庁の監視・評価検討会で、ALPS処理水に関して、放射線の内β線が、存在している核種から推定する値より高いので、調べたら、東電は「ヨウ素129、炭素14、テクネチウム99がその原因でした」と回答しました。
ALPS処理水はトリチウムだけでなく炭素14とか除去対象から外したα核種などけっこう入っている放射能汚染水であることが暴露され、東電は認めました。※1

「放射能汚染水」の(「海洋放出」ではなく)「海洋投棄」は、汚染水に混じっている炭素14、ナトリウム22やカルシウム41が食物連鎖して体内被曝の原因になります。ですから、放射能汚染水の海洋投棄は止めて、100年間は地上保管し放射能半減期を待とう、またトリチウム等を除去する技術を進展させよう、ポストALPSのような設備を発明しようという、信州大学工学部元講師・元技術者の平宮康広さんの提言は大正解ではないでしょうか。※2

去る11月13日に行われた「汚染水を海に流すな!海といのちを守る集い」での漁業者や、放射能に翻弄される地元のお母さんたちの生の声を聞いてください。そして、私たちも「希釈放射能汚染水の海洋投棄は止めて!」の声を大に発していこうと思います。

※1 NONUKES VOICE Vol.26、P.036~042「おしどりマコさん どの言葉を使うかから洗脳が始まっている件。」
※2 NONUKES VOICE 28、P.091~097「平宮康広さん 放射性廃棄物問題の考察(前編)」、 NONUKES VOICE 29 、P.070~077「放射性廃棄物問題の考察(中編) 放射能汚染水の海洋投棄について」

(文責:原発問題プロジェクト委員長・長谷川清純)