日本聖公会 聖マーガレット教会
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イエスとサマリアの女
1さて、イエスがヨハネよりも多くの弟子をつくり洗礼を授けておられるということが、ファリサイ派の人々の耳に入った。イエスはそれを知ると、2―――洗礼を授けていたのは、イエス御自身ではなく、弟子たちである―――3ユダヤを去り、再びガリラヤヘ行かれた。
4しかし、サマリアを通らねばならなかった。
5それで、ヤコブがその子ヨセフに与えた土地の近くにある、シカルというサマリアの町に来られた。
6そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅に疲れて、そのまま井戸のそばに座っておられた。
正午ごろのことである。
7サマリアの女が水をくみに来た。イエスは、「水を飲ませてください」と言われた。 8弟子たちは食べ物を買うために町に行っていた。 9すると、サマリアの女は、「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしに、どうして水を飲ませてほしいと頼むのですか」と言った。ユダヤ人はサマリア人とは交際しないからである。 10イエスは答えて言われた。「もしあなたが、神の賜物を知っており、また、『水を飲ませてください』と言ったのがだれであるか知っていたならば、あなたの方からその人に頼み、その人はあなたに生きた水を与えたことであろう。」 11女は言った。「主よ、あなたはくむ物をお持ちでないし、井戸は深いのです。どこからその生きた水を手にお入れになるのですか。 12あなたは、わたしたちの父ヤコブよりも偉いのですか。ヤコブがこの井戸をわたしたちに与え、彼自身も、その子供や家畜も、この井戸から水を飲んだのです。」 13イエスは答えて言われた。「この水を飲む者はだれでもまた渇く。 14しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。」 15女は言った。「主よ、渇くことがないように、また、ここにくみに来なくてもいいように、その水をください。」
16イエスが、「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい」と言われると、17女は答えて、「わたしには夫はいません」と言った。イエスは言われた。「『夫はいません』とは、まさにそのとおりだ。 18あなたには五人の夫がいたが、今連れ添っているのは夫ではない。あなたは、ありのままを言ったわけだ。」 19女は言った。「主よ、あなたは預言者だとお見受けします。 20わたしどもの先祖はこの山で礼拝しましたが、あなたがたは、礼拝すべき場所はエルサレムにあると言っています。」 21イエスは言われた。「婦人よ、わたしを信じなさい。あなたがたが、この山でもエルサレムでもない所で、父を礼拝する時が来る。 22あなたがたは知らないものを礼拝しているが、わたしたちは知っているものを礼拝している。 救いはユダヤ人から来るからだ。 23しかし、まことの礼拝をする者たちが、霊と真理をもって父を礼拝する時が来る。 今がその時である。なぜなら、父はこのように礼拝する者を求めておられるからだ。 24神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければならない。」 25女が言った。「わたしは、キリストと呼ばれるメシアが来られることは知っています。その方が来られるとき、わたしたちに一切のことを知らせてくださいます。」 26イエスは言われた。「それは、あなたと話をしているこのわたしである。」
39さて、その町の多くのサマリア人は、「この方が、わたしの行ったことをすべて言い当てました」と証言した女の言葉によって、イエスを信じた。 40そこで、このサマリア人たちはイエスのもとにやって来て、自分たちのところにとどまるようにと頼んだ。イエスは、二日間そこに滞在された。 41そして、更に多くの人々が、イエスの言葉を聞いて信じた。 42彼らは女に言った。「わたしたちが信じるのは、もうあなたが話してくれたからではない。わたしたちは自分で聞いて、この方が本当に世の救い主であると分かったからです。」
新共同訳聖書
教会前の小さな花壇に、やわらかな春の光のやさしさに包まれて、草花が輝いています。
◆今週の福音書は「サマリヤの女とイエス」と読まれてきましたが、ユダヤから切り捨てられた地、サマリアでの実りある出会いから、神殿も宗派も民族をも超えて、低みから立つイエスの感性で神を礼拝することを学び、実りの刈り入れ=福音宣教を行うようにと勧めています。宣教を種まきと考えるのではなく、すでに実りつつある収穫をするのが宣教であるとイエスさまは教えていることに目を向けたいものです。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦
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本日の大斎プログラムはDVD鑑賞「おばあちゃんの家」。都会育ちの少年と田舎に住むおばあちゃんの感動の物語。心が通い合うとはどういうことのなのかを学びました。韓国の女性監督イ・ジョンヒャン(李廷香)氏が亡くなった祖母への感謝の気持ちを込めて2002年に制作したこの映画は、韓国だけでなく、多くの国で大ヒットしました。
◆あらすじ
ソウルで育ち、わがままなサンウ少年は、結婚にも事業にも失敗した母親に連れられて、山奥に住むおばあちゃんに預けられます。母は生活を立て直すため都会へと返り、口のきけない祖母と孫との生活が始まります。
サンウ少年は、事あるごとにおばあちゃんに迷惑をかけますが、おばあちゃんはそれをすべて受けとめます。
やがて母親が迎えに来て都会に帰ることになったサンウ少年は、読み書きのできないおばあちゃんのために、大切にしていた自分のゲームカードの裏に「身体が痛いよ」「会いたいよ」と書いて、葉書として出せるようにおばあちゃんに渡します。
◆信徒の方が次のような感想を寄せてくれました。
「原題は韓国語で『チブロ』すなわち『家へ』だそうです。おばあちゃんは言葉を持たないけれどサンウ少年に無償の愛を注ぎます。
おばあちゃんはいつも少年を見守り、待っていて受け入れてくれます。けがをして足を引きずり、泣きながらサンウ少年が向かうのは「おばあちゃんの家」なのです。
サンウ少年は私、いつでも無償の愛をもって迎えてくれるおばあちゃんはイエス様(マリア様かな)、そしておばあちゃんの家は神の家、「家へ」という原題は神の家へ帰ろうということでしょうか?」
◆来週は山手教会グループの説教交換です。聖マーガレット教会には高橋顕司祭(聖三一教会・聖十字教会牧師)がいらっしゃいます。また大斎プログラムは高橋顕司祭が「開かれる」を主題にしてお話されます。前田司祭は東京聖三一教会で司式・説教です。