日本聖公会 聖マーガレット教会
〒167-0054 東京都 杉並区 松庵1-12-29
TEL 03-3334-2812
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大斎プログラム5 「フィリピンの台風災害の現場から」 次週
イエスは復活と命
17さて、イエスが行って御覧になると、ラザロは墓に葬られて既に四日もたっていた。
18ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。
19マルタとマリアのところには、多くのユダヤ人が、兄弟ラザロのことで慰めに来ていた。
20マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家の中に座っていた。
21マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。
22しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」
23イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、24マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じております」と言った。
25イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。
26生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」 27マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」
イエス、涙を流す
28マルタは、こう言ってから、家に帰って姉妹のマリアを呼び、「先生かいらして、あなたをお呼びです」と耳打ちした。
29マリアはこれを聞くと、すぐに立ち上がり、イエスのもとに行った。
30イエスはまだ村には入らず、マルタが出迎えた場所におられた。
31家の中でマリアと一緒にいて、慰めていたユダヤ人たちは、彼女が急に立ち上がつて出て行くのを見て、墓に泣きに行くのだろうと思い、後を追った。
32マリアはイエスのおられる所に来て、イエスを見るなり足もとにひれ伏し、「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに」と言った。
33イエスは、彼女が泣き、一緒に来たユダヤ人たちも泣いているのを見て、心に憤りを覚え、興奮して、34言われた。「どこに葬ったのか。」
彼らは、「主よ、来て、御覧ください」と言った。
35イエスは涙を流された。
36ユダヤ人たちは、「御覧なさい、どんなにラザロを愛しておられたことか」と言った。
37しかし、中には、「盲人の目を開けたこの人も、ラザロが死なないようにはできなかったのか」と言う者もいた。
イエス、ラザロを生き返らせる
38イエスは、再び心に憤りを覚えて、墓に来られた。
墓は洞穴で、石でふさがれていた。
39イエスが、「その石を取りのけなさい」と言われると、死んだラザロの姉妹マルタが、「主よ、四日もたっていますから、もうにおいます」と言った。
40イエスは、「もし信じるなら、神の栄光が見られると、言っておいたではないか」と言われた。
41人々が石を取りのけると、イエスは天を仰いで言われた。「父よ、わたしの願いを聞き入れてくださって感謝します。
42わたしの願いをいつも聞いてくださることを、わたしは知っています。しかし、わたしがこう言うのは、周りにいる群衆のためです。あなたがわたしをお遣わしになったことを、彼らに信じさせるためです。」 43こう言ってから、「ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。
44すると、死んでいた人が、手と足を布で巻かれたまま出て来た。
顔は覆いで包まれていた。イエスは人々に、「ほどいてやって、行かせなさい」と言われた。
新共同訳聖書
チューリップ
◆今週の福音は「ラザロの復活」と言われています。ヨハネ福音書の最後の奇跡が「ラザロの復活」ですが、死の現実の只中に置かれた家族はどうすることもできないのです。今日の奇跡はヨハネがキリスト教共同体を励ますために用いられたのですが、人間の常識をはるかに超えた神様の神秘な力を信じるが、否かがせまってくるようです。苦しみや悲しみ、抱えきれない苦悩のさなかにもイエスに目を向け、十字架に付けられ復活するイエスを信じる信仰へと召されている者に希望の道が開かれいるのだと信じたいものです。
◆ 今年の聖マーガレット教会の大斎テーマは「宣教の原点に立とう」です。来週の大斎プログラムは午後1時15分から十字架の道行を行います。イースターに向けての最後のプログラムとなります。ご参加ください。4月12日まで、毎週土曜日に「十字架の道行」が行われています。是非ご参加ください。
牧師 司祭 バルナバ 前田 良彦
吉村誠司さん
◆本日の大斎プログラムはNGOヒューマンンシールド神戸代表として、災害支援活動を続けておられる吉村誠司さん。
東日本大震災後の石巻での活動
はじめに、大震災直後から石巻で続けていらっしゃる支援活動のお話がありました。牡鹿半島で津波に耐えて残った古民家を、地域の集会所として修復して残そうとしている活動や、黒姫のスキー場に子どもたちを招く活動の最近の出来事なども紹介してくれました。
台風30号フィリピン緊急支援報告
吉村さんは、1984年に台風被害を受けたフィリピンのパナイ島を翌85年に訪問し、支援活動にあたった経験をお持ちです。当時まだ大学生でしたが、ワークキャンプを企画し、教会修復や井戸掘り、集会場建築、民芸品の販売などさまざまな支援活動を展開されてきました。
◆その時の、ご経験や人脈が今回の台風30号被災地支援において、大変役立っているようです。信頼できる、現地の支援カウンターパートを得て、被災直後の11月19日にフィリピンを訪ね、早期に現地入りし、ニーズ調査に基づいた有効な支援活動にいち早く着手されました。
◆その後12月に第2陣、1月に第3陣、4月9日から第4陣と、継続的に被災地を訪問して支援活動を行われています。
特に、セブ島北部から、台風被災で孤立したバンダヤン島に入り、フィリピン聖公会と連携して、食料等の配布や医療活動支援、住宅再建などに続けていらっしゃいます。
初期から、必要な物資や大工さん、ボランティアを集めて、竹小屋やシート張り、家屋の応急処理、橋の再建等々、被災者の生活の確保・復旧を迅速に進めていて、効果的な支援と、その行動力に驚かされます。
◆吉村さんは、常に情報交換に務め、事前にニーズ調査して、必要な物資を調達して被災地に入る綿密な活動をされていらっしゃいます。
せっかく支援金や物資が贈られても、有効に使われないことが多い。自分は心がつながる支援をしたいと語られます。
◆そのような支援活動の具体例の一つとして、船を失った被災地の漁師さんたちにバンカー漁船を作って寄贈する活動を紹介してくれました。
この活動には、原発被害で船を出せない福島の方たちからも、自分たちの思いも乗せて漁をして欲しいと、(きっと、ご自分たちの暮らしも大変な中で、)
義援金が寄せられているとのことです。
◆この日は、お父さまの吉村庄司 司祭も参加してくださいました。80歳を超えていらっしゃいますが、大変お元気で、ご自身がカパティランの代表の一人として誠司さんの第3陣に加わり、被災地を訪問されていらっしゃいます。吉村司祭からも支援活動の様子や誠司さんの学生時代の話などを話していただきました。
◆「今回の台風の異常な大きさ、頻発する自然災害に、温暖化も関係しているとすれば
この台風30号の被災は、私たちに無関係なことではありません。
430万人もの方が被災され、地域も大変広域です。長期的な支援にご協力ください。」と吉村さんは話を結ばれました。