主教教書(15) 平和を覚えて祈る時に

2020年8月12日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

殊に8月は「平和」という言葉を数多く目や耳にします。しかし、8月に限らず毎日が「平和」を思い、実現する一日一日のはずです。

「私はあなたたちに平和を残し、平安を与える」と、十字架を目前にされたイエス様は言われました。その「平和」とは、命の造り主なる神様と、造られたものとの間に生み出される命の調和なくしては成り立ちません。また、そのために「まず、神の国と神の義とを求めなさい」と、イエス様は命じられました。

「人類は、一人一人が自分以外の人とも平和に暮らしているので無ければ、本当に平和とは言えない。そして、その平和の源とは、一人一人の中での自分との闘いにかかっている」
ということが、世界中から宗教者が集まった際に言われました。
イエス様の歩みを思います時、ご自身との闘いでもある十字架を通して、神様による平和を創り上げられました。
心を乱し、平安を失いがちな私たちに向けてのメッセージ、「恐れるな、私がいる!」は今も生きておられるイエス様の心、働きそのものです。別名「平和を造り出す器」であるキリストの教会は、いつ如何なる状況に在っても、殊に昨今の大変な状況であればこそ、一層み言葉への信頼と祈りを強め、深めてまいりましょう。

引き続き、各教会・礼拝堂での慎重に慎重を重ねての最善の備え、対応に感謝申し上げます。なお、相変わらず不安な状況が続いていることに加え、熱中症への心配もあります。殊に礼拝参加の際にはこれらの状況に留意され、更なる慎重と用心を重ね判断をされますようお願い申し上げます。
既にお伝えしていますように、万が一感染された方が出た際には速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し対応致します。

罹患された方がたの回復、医療の最前線で献身、尽力しておられる方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰めをお祈り致しましょう。また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈りたいと思います。