主教教書(17) ご降誕の時に向けて(Ⅱ)

2020年12月12日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

クリスマスを目の前にする時となりました。既に前文書にも記しましたが、例年、クリスマスは日ごろ教会に来ることができない方がた、信徒ではない方がた等、多くの方がたが礼拝に参加される喜ばしい時でもあります。
しかしながら、現在新型コロナウイルス感染症第三波の勢いは衰えず、日本各地で過去最大の感染者数が更新され続けています。
当初から大事にし続けてきています「いのちを守り合うこと」「教会の社会的責任を果たすこと」は未だ外すことはありませんし、引き続き最優先させてまいります。
殊に「医療現場崩壊」という言葉を耳目にしない日々がない中、自分が感染しないだけではなく、他者に感染させない配慮は信仰の在り方と無縁ではないはずです。

これまでも申し上げてきたことですが、各教会・礼拝堂での慎重に慎重を重ねての最善の備え、対応に感謝申し上げます。礼拝や設備等への調整や工夫を重ねておられる中、慣れていくことが良いものと、「気の緩み」という慣れてはいけないものがある中で、降誕日、顕現節に向かい、教会委員会等で礼拝のあり方や集まりの方法など話し合いを重ねてこられたと思います。インフルエンザへの不安も高まる折ですので、更なる慎重と用心の上、諸々の判断をされますようお願い申し上げます。また信徒、教役者の皆さまには、引き続いて、手洗い手指の消毒、マスクの活用など基本的な感染症予防対策にご留意いただきますようお願い申し上げます。

前述のように「三つの密」を避けるために、例年のような多くの方がたに自由に参加していただく形は難しいことは歴然としています。
各教会・礼拝堂の規模や状況にもよりますが、礼拝回数、礼拝時間、礼拝参加形式への一層の配慮と工夫をお願い申し上げます。
また、例年行なわれています飲食を伴う「クリスマス祝会・愛餐会」は、残念ですが自粛くださるようお願い申し上げます。

今年は、主のご復活を集まって感謝し、祝うことができず、ご降誕も制限のある中でのこととならざるを得ません。物理的、身体的に共に集まることが難しい時であればこそ、「祈りと霊的なつながり」の中に居られる主の働きを信じ、祈り求めましょう。「私たちを今後ひどく襲う危険があるのは、無関心な利己主義というウィルスです」という、フランシスコ教皇の言葉も深く心に留めたいと思います。

これも既にお伝えしていますが、万が一感染された方が出た際には速やかに教会、及び教区事務所総主事(下条司祭)宛に通知ください。プライバシーには配慮し対応致します。

罹患された方がたの回復、医療現場に於いて命がけで献身、尽力しておられる方がたのお働き、エッセンシャルワーカーの方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、そしてこの危機の収束を切にお祈り致しましょう。また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈ります。

み子の訪れによってわたしたちを清め、心の闇を照らしてください。 アーメン

ご理解、ご協力の程、切にお願い申し上げます。