主教教書(10) 主 日 正 午 の 祈 り

2020年4月23日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 依然として不安の絶えないコロナウイルス感染症により、今や地球全体が「いのちの危機」に直面していると言えます。この深刻な状況の中、「神様からの賜物である尊いいのちを守るため」に最善を尽くすこと、祈りによる連帯と神様への信頼に思いを深め たいと切に願います。 未だ礼拝(公祷)が再開できない中、教会は様々な方法を用いてキリストにある繋がりを確かめ合い、守り続けています。決して、「神の民」「キリストの体」「聖霊の宮」である教会は消滅したのではありません。
 
 また、社会との接点の中での尊いお働き、殊に社会福祉施設、医療施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働きと、そこで献身していらっしゃる方がた、関係者のためにも お祈りを捧げます。私たちは各々の生活の場にありながらも祈りを通しての繋がり、強さ、そしてその大切さ、キリストの体という共同体の信仰の素晴らしさを深く心に刻んでおります。
 
 先般、「東京教区では復活日正午には、お昼時の忙しい時間ですが、一旦手を止め、心と言葉を合わせて、主イエス・キリストが授けてくださった『主の祈り』をそれぞれが居られる場所で捧げていただきたい」とのお願いをいたしましたところ、多くの方がたが共に捧げてくださったことを伺い、大変心強く感謝申し上げます。
 
 救い主キリストが授けてくださった「主の祈り」は、「わたしの」ではなく「わたしたちの」祈りであることを心に深く刻み、今後も毎主日正午には復活日同様、共通の信仰的業としてこの祈りを継続したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  私自身も祈ります。皆さまもご一緒にお祈りください。また、他の方々にも祈りに加わってくださるよう、お知らせとお勧めをお願い申し上げます。
 
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる医療従事者のお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方々の魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致します。